――李登輝さんはかねてから「中道化」が選挙のキーポイントだと指摘している。李 政治は対立するだけでなく、真ん中の中産階級を固めなくてはいけない。社会の中心は中産階級。ところがいまの台湾政治は両極端になっている。民進党は独立すべきだと言い、国民党は中国と統一だと言う。民進党も国民党も党利ばかりを考え、人民のことは頭に入っていない。 台湾の中産階級には統一でも独立でもない考えの人たちが増えている。いま、もし私が総統だったら、民進党と国民党の連立政府を作って中道路線を歩むだろう。そうすれば台湾の政治は全然変わるが、だれもそれをやらない。――民進党と国民党、どちらが今後の台湾を担うべきだと考えますか。李 この七年間、国民党は野党でありながら、野党がやるべきことを一つもしていない。民進党は台湾の主体性を中心にしている。やはり彼らが中心になっていく方が本物だ。ただ、民進党もいまの指導者が代わらないといけない。――常識的には前任者は指導者を非難しないが、李登輝さんの陳水扁総統批判は昨年ごろから強くなっています。李 (陳総統は)ひどいから。私は一生懸命、民主化を進めたが、彼の下で民主化は停滞しただけでなく、逆行した。いまは民主独裁。台湾の憲法をみたら、総統はなんでもかんでも命令してはいけないと書いてあるが、彼は一人で決めてしまう。批判というか、辞めた総統が言うのはよくないが、陳総統は一人で勝手にそういうことをするなと言いたい。

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