テスト終了、次は北朝鮮を本当に動かす番だ

執筆者:マイケル・グリーン2007年8月号

[ワシントン発]六月末に北朝鮮を訪れた国際原子力機関(IAEA)査察担当のハイノネン事務局次長は、寧辺の核施設停止・封印およびその後の監視体制について北朝鮮と「合意」したと語った。 これを受けて、リチャード・ホルブルック元米国連大使は『ワシントン・ポスト』紙への寄稿で、「大きな進展」だと評価。韓国政府は二月十三日の六カ国協議での合意に基づいて、さっそく北朝鮮への五万トンの重油提供を準備、加えて、二千万ドル分の食糧支援を行なうことを発表した。七月二―四日に平壌を訪れた中国の楊潔チー外相は金正日総書記と会談し、六カ国協議再開への動きも急になってきた。 一方で、これら外交交渉が動き始めたことで、日本のメディアは、拉致問題解決を強く主張する日本が孤立することへの懸念を繰り返し表明している。アメリカの対朝政策が軟化していることに日本が不満を持っているのは明らかだ。 果たして、北朝鮮が寧辺の核施設を封鎖すると約束し、六カ国協議の交渉の場に戻ってくることは、本当に意味のある「進展」なのか、それとも三月八日の社説で日本経済新聞が書いたように、これは北朝鮮による単なる「アリバイづくり」に過ぎないのか? バランスシートを眺めてみると、このところの展開に「良いニュース」と「悪いニュース」の両面があることは明らかだ。

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