イスラエルが先ごろ、新型のスパイ衛星の打ち上げに成功、核開発を進める宿敵イランに対抗する上で強力な軍事能力を備えたようだ。 打ち上げに成功したのは、極めて鮮明な画像を送ることができる偵察衛星「オフェク7」。イスラエル国内で開発され、去る六月十一日、地中海沿岸のパルマヒム空軍基地から、国産の三段階式固形燃料ロケットで発射された。 イスラエル軍事筋によれば、この打ち上げはイスラエル国内で実施された米軍との空軍演習の一環であり、同演習は今夏、対イラン戦争が勃発するという想定で行なわれたという。中東軍事筋は「オフェク7によって、イスラエルは中東地域の軍事的な動き、特にイランのミサイルを監視する能力を飛躍的に向上させることになり、イランに対し決定的に優位に立つ」とみる。 イスラエルでは二〇〇四年九月、同様のスパイ衛星「オフェク6」の発射実験が行なわれたが、失敗に終わっている。テルアビブの外交筋によれば、イスラエル軍首脳は「オフェク7」成功の報に祝杯を上げたという。イスラエルがこれをきっかけに軍事宇宙計画を一段と加速化させるとの見方も強まっている。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。