りそな銀行グループが第一生命保険や日本生命保険との資本提携の方針を固めるなど他の金融機関との提携戦略を活発化する中、「三井住友銀行がりそな吸収に向けて動き始めた」との観測が金融界で広がっている。 メガバンクの中で三菱東京UFJ、みずほの後塵を拝している三井住友にとっては、「りそなとのM&A(合併・買収)で一発逆転が狙える」(幹部)。数年前にも三井住友とりそなの再編説が流れたが、このときは、なお残る不良債権処理や、りそなの公的資金の重さに三井住友側の腰が引けたとされる。 だが、戦後最長の景気拡大で銀行界の収益環境も劇的に改善。りそなに残る公的資金は二兆三千億円だが、今後剰余金を積み上げるなどして、「二、三年で返済原資を確保できるメドがたった」(細谷英二・りそなホールディングス会長)。 三井住友がりそなを再び狙うのは、メガバンク同士の競合に加え、今年十月の「ゆうちょ銀行」の誕生に危機感を強めていることも大きい。さらに、りそなが歴史的に同根の野村ホールディングスとの提携交渉に乗り出したとされることも三井住友の焦りを誘っている。三井住友の幹部クラスが水面下でりそな側への接触をはかっている模様だ。実現すれば最後の巨大銀行再編となるため、成り行きが注目される。

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