繰り広げられた同じ党とは思えないほどの非難・中傷合戦。リードを保ってきた保守野党側の“墓穴掘り”に、与党側はほくそ笑む。[ソウル発]韓国の大統領選は十二月の本番まであと四カ月。本稿が出るころには野党ハンナラ党の候補指名(八月十九日の予定)が終わり、正式候補が決定しているはずだ。 この後、今度は与党陣営の候補選びが本格化するが、こちらはハンナラ党に対抗する統合新党の結成と候補一本化という課題が残っている。いずれにしろ今回も最後は与野、保革、左右の二大勢力による一騎討ちになることは間違いない。 今回の大統領選のポイントは、過去二連敗の保守勢力が十年ぶりに政権奪還なるか、である。これまでの各種世論調査では、保守野党ハンナラ党の予備候補に対する支持率は六五%前後で、与党陣営の約一五%を大きく上回っている。この数字だと、野党による政権奪還は確実のように見える。 ところがそれが必ずしもそうではないのだ。一九九七年と二〇〇二年の過去二回の大統領選でも、当初は現在のハンナラ党につながる保守派の候補が圧倒的に優勢だった。しかし結果は敗北だった。その原因は最終局面での保守勢力の分裂だった。「団結すれば勝ち、分裂すれば負ける」――これはどこの国の選挙でもいえるあたり前の話だが、韓国の保守勢力は過去二回、この原則を忘れ「敵前分裂」で負けている。そして今回もその愚を犯そうとしている。二度あることは三度ある? いや、今度こそはだいじょうぶ? これが二〇〇七年、韓国大統領選の最大の見どころである。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。