インド海軍がアフリカ沖のマダガスカル島北部に建設していた通信傍受施設が七月に運用開始となり、インド西岸のムンバイ、コチンにある通信傍受システムとあわせ、インド洋を取り囲む監視網が築かれつつある。運用開始となったのは、インド初の国外通信傍受施設で、昨年来、マダガスカルから借用した土地に建設が進められてきた。 インド海軍筋によると、海賊とテロ組織の活動を警戒するのが施設の主な役割だが、インド洋で存在感を高める中国への牽制の意味もあるという。インドは、マダガスカルの東にあるモーリシャス本島の北にあるアガレガ諸島を「インフラと観光開発のため」に長期借用する計画も検討中。アガレガは米海軍の一大拠点であるディエゴガルシア島から南西に千八百キロの位置にあり、戦略的価値は高い。「インドはアラビア半島東端のオマーンでも港湾利用権を持っており、モーリシャス、ムンバイ、コチンをあわせると、インド洋は取り囲んだも同然」とインド海軍高官は言う。

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