薄型テレビの主役の座をめぐって熾烈な戦いを繰り広げるプラズマテレビと液晶テレビ。「大型はプラズマ、中小型は液晶」といった棲み分け論はすっかり後退し、電子情報技術産業協会(JEITA)の調べによると、今年上半期でブラウン管テレビを含めたテレビ全体のうち液晶テレビの販売シェアは八割を超えた。 こうしたなか、プラズマ陣営をひとり支えてきた松下電器産業も「早くも頭打ちの状態」(大手証券アナリスト)。松下は社内で「37型以上はプラズマ、それ以下は液晶」と分けてきたが、九月にも37型の液晶テレビの製品を投入するなど液晶シフトが鮮明になってきた。 松下は日立製作所などとの共同出資で設立した「IPSアルファテクノロジ」から液晶パネルを調達しているが、「生産スピードも遅く、日立などと出資比率に応じてパネルを分け合っているので急拡大する市場のニーズに追いつかない」(松下幹部)と苛立ちを隠さない。このため、オランダの家電大手のフィリップスが韓国LG電子と設立したLGフィリップスLCDからパネルを調達することを計画。フィリップスが液晶パネル事業の見直しに着手し、この合弁会社から資本を引き上げる意向を固めたのを機に「松下がフィリップスからLGフィリップスの株式を買い取り、韓国LGと液晶パネルの合弁を始める」(大手電機幹部)模様だ。

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