家電製品の進化に拍車がかかっている。省エネ性能を飛躍的に高めたエアコンや冷蔵庫、外寸は従来と同じなのに容量が増えた冷蔵庫や洗濯機、ビデオテープとDVDとHDD(ハードディスク記録装置)が同居するマルチビデオ装置等々、「家電新時代」が始まったかのような勢いだ。一九九七年の消費税引き上げ前に駆け込みで買われた家電製品が買い換え時期に入っており、家電メーカー各社は、この機をつかまえて新技術を相次いで投入している。 冷蔵庫、洗濯機、エアコンの三つを例に取れば、サイズは従来のままなのに中身が大型になり、しかも高級な価格の高い機種が売れるための技術要因がいくつかある。最も注目されるのが冷却器(コンプレッサー)のモーターの小型・高性能化だ。 例えば松下電器の大型冷蔵庫の場合、コンプレッサーのサイズは従来の半分になった。それがために、これまでは製品の底の部分に置かざるをえなかったコンプレッサーを上部奥に移すことができるようになり、一番下にある冷凍庫の容量を拡大できた。従来の四五〇リットルサイズと同じ外寸で五〇〇リットルを実現している。ドラム式(斜めの洗濯槽)の洗濯機も、直に洗濯槽を回せるような力をモーターが備えることでモーターの設定位置の自由度が高まり、洗濯槽の傾斜設計が可能になった。

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