PHS最大手のウィルコムが近く上場を申請する見通しだ。総務省が新規開放する高速無線通信サービスの免許取得が確実視されており、筆頭株主で株式の六割を握る投資ファンドの米カーライルも「絶好の売り時」(幹部)と判断した。 開放される周波数は二・五ギガヘルツ帯で、外出先や移動中でも高速ネットに接続できる。注目の全国サービス枠の割り当ては二社分。総務省はNTTドコモやKDDIなど既存の携帯事業者の単独参入を排除した。技術面では、ウィルコムのみが次世代PHS、その他の事業者はモバイルWiMAXで申請しており、「ウィルコムは当確」(通信大手)とみられている。 もともとウィルコムはKDDIの子会社だったが、ファンド傘下となってから国内初の音声通話の定額制など画期的なサービスを導入、息を吹き返した。高速無線通信サービスの新規免許をめぐり「元親」のKDDIが苦戦するのを尻目に、ウィルコムの喜久川政樹社長は「単独で参入する」と涼しい顔だ。

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