インターネットを使った商品先物取引会社、ドットコモディティが、同業の二社と十月一日に統合する。相手はひまわりシーエックス(CX)とアストマックス・フューチャーズで、両社のネット取引部門を分離してドットコモディティに統合するものだが、経済産業省が商品先物市場の活性化策として打ち出したネット取引の推進や、東京工業品取引所が進める取引時間の二十四時間化を先取りしたものだという。海外の先物市場では穀物や原油など資源が高騰し活況を呈しているのに比べ、日本の先物市場は低迷中だけに、二社を統合するドットコモディティが改めて注目されている。 それというのも、ドットコモディティは、経産省OBの車田直昭社長(四六)が、強引な勧誘や騙した騙されたなど、とかく評判の悪い商品先物取引業界に飛び込み、自ら模範を示そうと興したネット専業の商品先物取引会社だからである。創業以来、二年三カ月。顧客口座数は五千口座、預かり証拠金は二十一億円に過ぎなかったが、三社統合後は二万口座に急増し、預かり証拠金は百三億円に。ネット商品先物取引会社のトップに躍り出て、大手の仲間入りを果たす。「有名人」たちの出資で 車田氏は東大卒業後、通商産業省(現・経産省)に入省。村上ファンドの村上世彰氏とは同窓で、大学時代も経産省でも机を並べた間柄だ。経産省では商品先物取引を扱う商務室(現商務課)を二回に亘り経験。そのとき証券取引より三年も早く取引手数料を自由化させ、利益に課税する税制も証券並みの分離課税を実現させた。ネット取引も証券より早く導入させるなど、商品先物取引業界の改革を進めた人物だ。が、三年前に経産省を退官。村上氏や経産省時代に知り合った楽天の三木谷浩史社長、松井証券の松井道夫社長に出資してもらい、ドットコモディティを創業。それは客とのトラブルが絶えない商品先物取引業界に、ネット取引が如何に必要かを実践してみせるためだった。

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