流れが大きく変わりつつある。中国を見限り始めた外資はベトナムへ。このまま脱出が続けば「世界の工場」は失速しかねない。・三菱重工業、航空機部品工場進出・日本サーボ、ステッピングモーターの生産拠点設立・アイホン、インターホン製造子会社を設立・INAX、衛生陶器工場を新設・トヨタ紡織、エアバッグ工場増設・ピーコック、冷凍食品の第三工場を稼動・ASTI、二輪車用電装部品を現地生産・メイコー、新設の基板工場の計画を当初予定より六割拡張 二〇〇七年十一月後半までに明らかになった日本企業のベトナム進出計画の一部を並べたものだ。一目瞭然だが、今、幅広い業種、規模の日本企業がベトナムに拠点を続々と開設しつつある。その様子は一九九〇年代後半から数年前まで続いた中国進出ラッシュを思い起こさせる。 日本企業だけではない。外国企業全体のベトナム進出が盛り上がっており、〇七年一―十月のベトナムへの直接投資認可額は百十二億ドルと、過去最高だった〇六年を早くも上回った。通年では百四十億―百五十億ドルに達するとみられ、中国への直接投資額の四分の一の規模にまで膨れ上がろうとしている。人口が八千万人と中国の十六分の一の規模にすぎないベトナムにとって異常なほどの投資ラッシュといってよい。

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