二〇〇七年九月の民主化要求デモが軍事政権に鎮圧されたミャンマーで、いま、仏教の高僧による説法CDが地下販売され、密かに人気を呼んでいる。 軍政はデモに参加した多数の僧侶を拘束。他の僧侶たちは弾圧を逃れて山岳地帯に避難したり、僧服を脱いで地下に潜伏したりしている。このため、熱心な仏教徒が多い同国では、僧侶による日々の托鉢もなく寺院の行事にも支障が出るなど、市民の精神的拠り所が失われてしまった。 そんな中、高僧として有名なニャニッサラ師、カウヴィダ師の説法を録音したCDが密かに作られ、旧首都ヤンゴンの市場などで売られているという。 両師はCDの中で「善を装って悪を行なうのは罪であり、破壊を招く」「罪深き人々は地獄に堕ちる」など軍政を厳しく批判。投獄や拷問を恐れ表立って軍政批判できない市民がこぞってCDを買い求め、当局は慌てて摘発に乗り出しているという。

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