三洋電機の半導体事業の買収を断念した国内大手投資ファンドのアドバンテッジパートナーズ。原因は、「サブプライムローン問題のあおりを受け、買収資金の調達ができなかったため」(メガバンク幹部)といわれる。 アドバンテッジは過去に産業再生機構のもとで再建を目指したダイエーやカネボウなどへの出資で知られる。海外ファンドへの事業売却よりも安心感を覚える売り手もあり、資金力に勝る外資を尻目に買収を進めてきた。 だが、三洋買収失敗に続き、米投資ファンドのローンスターが売却を検討している東京スター銀行買収にも暗雲が垂れ込めてきた。香港に拠点を置く英HSBCを退けて最有力候補に挙がったものの、結局は資金不足で脱落するのではないかとの声が市場で流れ始めたのだ。 現在、アドバンテッジは他の投資銀行などと共同戦線を張り資金集めに奔走しているとされるが、「所詮、アドバンテッジは和製ファンドという点で優遇されてきただけ。資金が集められず買収金額を下げることになれば、高い転売益を狙うローンスターから見放される」(同)。順調に投資実績を残してきたアドバンテッジは大きな試練を迎えている。

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