ジェネリック(後発)医薬品が本格的に広まるかもしれない。厚生労働省は医師が記入する処方箋の様式を変更し、先発品と有効成分が同じでも価格が安い後発医薬品の使用を原則とする後発医薬品普及策を、厚労相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)に諮問した。高齢化社会を迎えて膨張し続ける医療費の抑制策の一環だ。 医薬品には、製薬会社が長期間にわたり巨額の研究費を投下して開発した新薬(先発品)と、開発後、二十年から二十五年が経ち特許が切れたところで、別の製薬会社が同じ有効成分で製造する後発医薬品がある。後発医薬品は沢井製薬や東和薬品などの専門メーカーが盛んにテレビCMを流していることで知名度が上がったが、一昔前までは新薬の真似をしてぞろぞろ作られることから「ゾロ」などと呼ばれ製薬業界で軽蔑されてきた。だが、研究費がかからない分、価格が先発医薬品より三割から物によっては七割も安いという。 その安さから、ヨーロッパでも医療費抑制策として後発医薬品の普及を推進。普及率はイギリスでは数量ベースで五九%、ドイツで五六%。二〇〇四年から普及に力を入れたフランスでも三九%に上っているが、日本はまだ一七%に留まっている。「国民医療費は〇五年度で三十三兆円に上る。そのうち医薬品は七兆円。二年に一度の薬価改定がありますが、医療費は増大する一方です。その医療費の自然増を抑えるために、最も分かりやすく、医師も薬剤師も製薬メーカーも国民も納得しやすい後発医薬品を普及させたい」(厚労省)。

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