元アーカンソー州知事のマイク・ハッカビー氏が5月5日、地元アーカンソー州ホープで2016年共和党大統領候補指名獲得争いへの出馬を正式に表明した。周知の通り、今回はオバマ大統領の3選が合衆国憲法で禁じられているため、現職大統領不在の「オープン選挙」となる。それもあって、ホワイトハウス奪還を目指して、野党・共和党から多くの政治家が候補指名獲得のために出馬を表明しつつある。ハッカビー氏は、テッド・クルーズ (テキサス州選出)、ランド・ポール(ケンタッキー州選出)、マルコ・ルビオ(フロリダ州選出)といった現職の上院議員、また女性候補のカーリー・フィオリーナ元ヒューレット・パッカード社最高経営責任者(CEO)、アフリカ系で著名な元脳外科医であるベン・カーソン氏などに次いで6人目の出馬表明となる。今後、ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事やウィスコンシン州のスコット・ウォーカー州知事も出馬表明を行うことが確実視されている。さらにクリス・クリスティ・ニュージャージー州知事やリック・ペリー前テキサス州知事ら4、5名も出馬する可能性があり、共和党は正に候補乱立の様相を呈しつつある。

 

キリスト教右派勢力の強固な支持

 ハッカビー氏のホワイトハウス挑戦は今回が2度目となる。前回出馬した2008年の際は、最終的にジョン・マケイン上院議員(アリゾナ州選出)が大統領候補の指名を獲得した。だが、ハッカビー氏はマケイン氏に次いで2番目に多い代議員を獲得してその存在感を示した。ハッカビー氏自身かつて牧師であったこともあり、とりわけ、中西部や「バイブルベルト」と呼ばれる南部諸州において大きな影響力を持っているキリスト教右派勢力の間で強固な支持を誇る社会的保守派の有力政治家の1人だ。また、最近まで、保守系の『FOXニュース』で自らのテレビショー『ハッカビー』を持っており、その雄弁さにより、保守系有権者に訴える能力にも非常に長けた政治家としても知られている。自らギターを弾き、一般有権者にも気さくに接する。

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