「白頭山5人組」

 玄永哲人民武力部長がロシアを訪問した4月13日から20日は北朝鮮では行事の多い時期だ。4月15日は故金日成主席の誕生日であり、4月14日には中央報告大会が開催されている。
 また、この期間で注目されるのは4月11日から朝鮮人民軍の戦闘飛行士たちが白頭山地区革命戦跡地の踏査行軍を行い、金正恩第1書記は4月17日に白頭山地区を訪問し、踏査行軍を行った飛行士たちを激励し、18日に飛行士たちとともに白頭山に登った。この白頭山行きには5人の側近が同行した。
 金正恩第1書記は2013年12月に張成沢党行政部長を粛清する前に、革命聖地である三池淵を訪問した。ここに8人の側近が随行し、張成沢党行政部長の粛清を最終決定したといわれている。
 同行した8人は金元弘(キム・ウォンホン)国家安全保衛部長、金養建(キム・ヤンゴン)党統一戦線部長、韓光相(ハン・グァンサン)党財政経理部長、朴泰成(パク・テソン)労働党組織指導部副部長、黄炳瑞(ファン・ビョンソ)労働党組織指導部副部長(当時)、金炳鎬(キム・ビョンホ)労働党宣伝扇動部副部長、洪ヨンチル労働党機械工業部副部長、馬園春(マ・ウォンチュン)労働党財政経理部副部長だった。
 当時、この「三池淵8人組」が「新側近」といわれたが、このうち、韓光相財政経理部長、馬園春同副部長(国防委員会設計局長)は今年に入って失脚したとみられている。
 代わって登場したのが、今回金正恩第1書記に同行した「白頭山5人組」だ。黄炳瑞軍総政治局長、崔龍海(チェ・リョンヘ)党書記、金養建党統一戦線部長、李載佾(リ・ジェイル)党宣伝扇動部第1副部長、李炳哲(リ・ビョンチョル)党第1副部長(前空軍司令官)の5人だ。
 玄永哲人民武力部長の粛清について白頭山で秘密協議が行われたかどうか確証はないが、金正恩第1書記の側近勢力が「三池淵8人組」から「白頭山5人組」に代わったという感じはする。

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