ロシアでは今年五月九日の対独戦勝記念日にモスクワ中心部の赤の広場で、ソ連邦崩壊以来久しく見られなかった大規模な軍事パレードが行なわれる見通しだ。 モスクワの消息筋によれば、このパレードでは多数の兵士や戦車、戦闘機に加え、移動式大陸間弾道弾(ICBM)や最新型ミサイルのトーポリMなども公開される予定。最大の目的は「強大なロシア」の復活を内外に宣伝するためで、プーチン大統領の強い意向で実施が決まったという。また同大統領は、自分の後任に選んだメドベージェフ第一副首相が三月の大統領選挙で当選した後、新大統領に就任する今年五月に合わせ、このパレードを計画したという。 同消息筋は「レーニン廟の前に観覧席が設けられ、最上段にプーチン、メドベージェフ両者が並ぶ中、その前を戦車とICBMがパレードするという旧ソ連式軍事パレードの再現になろう」と予想する。 ロシア筋によれば、戦車やミサイルが参加した大規模な軍事パレードが赤の広場で最後に行なわれたのは一九九〇年十一月七日のロシア革命記念日。その後、九五年五月の対独戦勝記念日の際、退役軍人らによるパレードが催されるなど、小規模に挙行されたケースはあるものの、ソ連時代のような本格的なパレードはなかったという。

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