インド政府が本格的な原油の備蓄に乗り出した。戦争などで石油供給が途絶えたり、急な需要増加といった事態に備えるため、十五日分の備蓄ができる施設をインド東岸アンドラ・プラデシュ州の港湾都市ビシャカパトナムなどに建設する。 ビシャカパトナムでは地下に「岩盤タンク」を掘り、石油産業開発理事会の子会社であるインド戦略石油備蓄会社の管理の下、千三百三十万トンの原油を保管する。現地ではすでに環境調査と土地収用がほぼ完了しているという。同施設では重質油七割、軽質油三割の比率で別々のタンクに保管する。 続いて、西岸カルナタカ州のマンガロール(千五百万トン)、そこから四十キロ離れたポドゥール(二千五百万トン)にも原油備蓄基地が建設される。最終的には十五日分の備蓄を倍増させて、三十日分(七千三百三十万トン)の戦略的備蓄能力を備える計画を立てている。加えて、石油精製施設には五百万トンの日常的備蓄がある。

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