安全保障関連法案をめぐる反対運動のなかで、最も鮮烈に光っていたのは学生たちが毎週末に行った国会前などでのデモであり、その核心を担ったのは学生グループ「SEALDs(シールズ)」だった。若者のデモによる政治的アピールがこの数年、米国ウォール街デモ、アラブの春、台湾ひまわり運動、香港の雨傘運動と世界各地に広がっているが、今回の反安保法デモをそれらと比較する議論は、日本以上に海外で関心が高いようだ。

 

「影響は受けた」

 9月16日に行われた外国特派員協会での会見で、シールズの中核メンバーで明治学院大生の奥田愛基さんは、こんな話をした。

「台湾や香港の学生たちのようにできているかどうかは分からない。でも、できることを自分たちのできる範囲でやっている。革命を起こそうとか考えていない。普通に大学に行って、毎日の状況の中でできることをしています」

 この話に反応した海外メディアが質疑応答で「米国でのウォールストリート占拠や台湾のひまわり運動から影響を受けましたか」と聞いた。

 奥田さんは「影響は受けたと思う。それらの動きをインターネット、SNSでリアルタイムで見ていました。台湾、香港でもデモクラシーがイシューとしてありました。(彼らと)互いに留学という形での交流もあったし、留学生とアジアのデモクラシーはどうあるべきかで話し合ったこともあります」と述べ、最後にまた「影響は受けていると思う」と繰り返した。

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