アル・カエダとの関係が深いとされる東南アジアのテロ組織「ジェマア・イスラミア(JI)」のシンガポールでの指導者で、当局に拘束されていたスラマット・ビン・カスタリ容疑者が、二月二十七日にシンガポールの拘置所から脱走、すでにインドネシア国内に潜伏している可能性が高いことがわかった。 カスタリはシンガポールのチャンギ空港でのハイジャックや航空機テロを計画していたとされ、二〇〇三年に身分証偽造容疑でインドネシアで逮捕され、シンガポールに移送、勾留されていた。しかし、警備が厳しいことで知られるシンガポールのウィットリー拘置所から逃走、懸命の捜索にもかかわらず行方不明となった。インドネシア領バタム島やビンタン島、スマトラ島沿岸部は、シンガポールから高速艇で約一時間の距離だ。シンガポールとインドネシアの当局は国際刑事警察機構(ICPO)にも手配し、カスタリの行方を追っている。 インドネシア国内ではJIの残党が組織再編に動き、新規に自爆テロ実行者を募っているとの情報もあり、治安当局はテロへの警戒を呼びかけている。

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