カーラ・ブルーニさんにエリゼ宮(フランス大統領官邸)のカテリーナ・デ・メディチとなって欲しい――。イタリア人の元スーパーモデルで歌手のカーラさん(四〇)とサルコジ仏大統領(五三)の結婚で、フランスの人々の思いを忖度するならこういうことになるだろう。 カテリーナ・デ・メディチ(一五一九―八九)は十四歳でイタリア・フィレンツェのメディチ家からフランスのオルレアン公アンリ・ド・ヴァロワ(のちのフランス王、アンリ二世)に嫁ぎ、芸術、料理、社交など、イタリアの洗練された文化をフランスにもたらし、フランス発展の基礎を作った。 カーラさんはカテリーナ・デ・メディチのように、サルコジのエリゼ宮に欠けているものを埋めてくれるだろうか。 同大統領は歴代大統領と生活スタイル、趣味が大きく異なる。シラク前大統領は世界の民族文化については専門家が舌を巻く該博な知識をもっていた。その前のミッテラン元大統領は文筆で知られた。それに二人は大の健啖家だった。 しかしサルコジ大統領は文化への関心は薄く、美術館に足を運ぶこともない。アルコールは口にせず、“早メシ”で、食にも大して興味をもっている風もない。エリゼ宮に通じている知り合いはこう語る。

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