年初からの大幅な株価の下落で、「アベノミクスは失敗した」という批判の声が勢いを増している。7月の参議院議員選挙を控えて、アベノミクス批判を展開したい民主党など野党に格好の材料を与えている。人手不足で雇用情勢は改善傾向が続いているが、足元では消費の落ち込みが顕著になり、景気の息切れは一段と鮮明になっている。

 もちろん、株価の下落や景気の減速には、海外情勢など外部要因が大きく影を落としている。中国の景気減速によって中国向け輸出が減少、世界の国々の景気の足を引っ張り始めた。加えて、原油価格の大幅な下落によってロシアや中東産油国の景気が一気に冷え込んだことも世界経済にマイナスに働いている。欧州での金融機関の信用不安が再燃しつつあり、これらのことが合わさって世界的な株価下落に結びついている。こうした世界的な市場の動乱に、日本の経済は無縁でいられないのは当然のことだ。

 だからと言って、もはや打つ手がない、と諦めるわけにはいかない。日本経済が世界経済のけん引役になれと言うつもりはないが、少なくとも今のところ世界経済の動揺は「日本発」ではない。

 ではいったい日本に何ができるのだろうか。

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