悪夢の1~3月期をなんとかやり過ごして、日本は4月から新年度を迎える。日本銀行のマイナス金利政策の評判は散々だが、悲観論が挨拶代わりとなったときは、相場用語でいう「陰の極」である。世の中の雰囲気は不思議と好転してくるかも知れない。だが、春の陽光のように見える日差しが「偽りの夜明け」だとしたら、日本経済はどうなるのだろうか。

 

徐々に底堅さ見せ始めた株価

 3月決算期末を控えた週明け3月28日、日経平均株価は1万7000円台で終わった。1月29日に日銀がマイナス金利政策を決定してから約2カ月。「奇策の空回り」とか、「不安心理を増幅しただけ」との評論が、メディアでは支配的である。なるほど、マイナス金利の導入後も、円高・株安が進行したことを思えば、こうした批判は間違ってはいない。

 ならば、円も株もつるべ落としの状況が続いているのだろうか。実際はそうではない。日経平均の最安値は2月12日で、一時1万5000円の大台をも割っていた。円相場も1ドル=110円を突破する勢いだったが、足元では113円近辺となっている。昨年末に1万9000円台だったのを振り返れば、株価はそれを下回っているが、徐々に底堅さを見せ始めているとさえ言える。

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