インドの名門「ガンディー家」4代目の逆襲

執筆者:緒方麻也2016年4月19日

 2014年の総選挙で大敗を喫し、下院(定数545議席)での議席数を改選前の約5分の1、44議席にまで減らすなど凋落の一途をたどっていた名門政党・国民会議派(コングレス)のラフル・ガンディー副総裁(45)が、にわかに存在感を強めている。発足後約2年を経て、経済改革で大きな成果を上げられず、宗教対立や大学自治への政治介入など「失点」も目立つ現政権への反動という側面もあるが、かつては地味で覇気のない印象だったラフル氏は、最近は積極的に政権批判の先頭に立ち、農村住民や若者ら有権者とも精力的に交流を図るようになってきた。昨年秋の北部ビハール州議会選では、地元政党2党との歴史的な選挙協力を実現させて勝利につなげ、党勢の衰退にストップをかけた。現在キャンペーン真っただ中の西ベンガル州、タミルナドゥ州などの議会選で躍進を果たせば、ラフル氏への求心力が一気に高まる可能性もある。ネール・ガンディー家4代目の動向は要注目だ。

 

2カ月間の「失踪」

 ラフル氏は初代首相ジャワハルラール・ネールの曾孫で、3人の首相を輩出したネール・ガンディー家の御曹司。2015年2月、ラフル氏は国会会期中にもかかわらず突如2カ月の「休養」を宣言し、しばらく消息不明となった。背景には、母親で故ラジブ・ガンディー元首相の妻でもあるソニア・ガンディー総裁(69)やその側近らとの確執が取りざたされた。

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