その後の伊勢志摩サミット(5月26、27日)への参加の陰に隠れて目立たなかったが、サミット開催に先立つ5月23日から25日までの3日間、カナダのジャスティン・トルドー首相がソフィー夫人と日本を公式訪問した。44歳と若い同首相は、味覚の好みや仕事の仕方でも新しい世代の政治家であることを見せつけた。

 

初サミット前の初公式訪日

 トルドー首相は父親が元首相のピエール・トルドー氏。2008年に36歳で連邦下院議員に当選して政界入りし、2013年に中道左派・自由党の党首に。昨年10月の総選挙で保守党を破って10年ぶりに政権を奪還し、首相に就任した。新内閣の組閣では、閣僚の男女の人数を同数として評判を呼んだ。

 サミット初参加で、安倍晋三首相はこの機会を利用して日本への公式訪問を打診。トルドー首相も受け入れて、サミット前の訪問となった。

 日本としては9年間のハーパー前政権の下で良好だった2国間関係の継続発展と、カナダを含め大筋合意した環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の早期批准の重要性の念押し、さらにサミットで協力し合っていくことを確認する狙いがあった。

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