リフレ派の”総帥”とも言える浜田氏の発言が金融界に波紋を呼んでいる(C)EPA=時事

 

 米国のトランプ次期大統領誕生で巻き起こった“トランプ旋風”は、金融政策に行き詰まった日本銀行にとって“神風”となったようだ。トランプ次期大統領の財政拡大政策に対する期待から米金利が上昇していることで、日米金利差の拡大により為替相場はドル高・円安が進んでいる。日銀が金融緩和を強化せずとも“棚から牡丹餅”的な円安が実現している。その上、日銀がトランプ旋風を追い風に、従来の金融政策を変更する可能性すら浮上している。

 日銀が9月21日に行った黒田東彦総裁就任後の金融緩和政策に対する総括的検証では、総裁自らが“異次元緩和”と名付け、これまでに例のないマネー量を市場に供給する量的緩和によってデフレ経済から脱却するというリフレ政策が、もはや限界に来ていることが露見した。結果、日銀は新たな金融政策手段として「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の導入を決定。10年もの国債金利の目標をゼロ程度、短期金利はマイナス0.1%にコントロールすることを打ち出した。マネー量から金利へと、政策手段を変更したのだ。

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