フォーサイト「2017年の注目点、気になること」(地域編)

執筆者:フォーサイト編集部2017年1月1日
2017年、この両首脳はどう動くか(C)AFP=時事

 

 フォーサイト編集部です。新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

 本年も昨年同様、新年を迎えるに当たり、執筆者の方々に「2017年の注目点、気になること」をお聞きし、それを【地域編】と【テーマ編】にまとめてみました。こちらは【地域編】です。お楽しみください(順不同。タイトルをクリックすると、それぞれの執筆者の記事一覧ページにジャンプします)。

 

【アメリカ・会田弘継】「オルタナ右翼」のトランプ新政権外交への影響

 1月20日にスタートするトランプ政権の外交政策はどうなるのか。世界中が注視している。12月半ばに訪れた北京の国家安全部直属シンクタンクのアメリカ専門家も、「選挙後に米国のシンクタンク20カ所ほどを聞き回ったが、見当もつかない」とこぼしていた。当のアメリカ人でさえも見当がついていないだろう。

 ひとまず次のように考えてみたらどうだろう。当たり前だが、選挙戦での発言と実際の外交はひとまず別と考えるべきだ。トランプ次期大統領の周辺とすでに決まった閣僚(級)人事から、いくつかの政策(思想)グループによる確執が進むことが予想される。まず、トランプはこれまで幾度かキッシンジャー氏と長い対話を行っており、また選挙戦初期から故ニクソンが創設した「Center for The Natinal Interest」の協力を得ていたことは知られている。ニクソン・キッシンジャー型のリアリスト外交思想の影響が推定される。ロシアとの和解を狙う姿勢に、ニクソンの対中和解のようなグランド・バーゲンを目指す姿勢が垣間見える。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。