7人の子どもの母親でもある美人国防相(C)EPA=時事

 

 ミュンヘンでの第52回「安全保障会議」は2016年2月12日から14日にかけて開催された。昨年のミュンヘンは暖冬であり、1月末にはこの季節の平均気温を10度近くも上回っていたが、2月になると寒さも募り、「会議」開催当日には最高気温が6度、最低気温がマイナス5度とほぼ例年の水準に戻っていた。

 さて大会は、時間に几帳面なドイツ人らしく12日午後3時きっかりに始まり、まず議長であるヴォルフガング・イッシンガーが開会の辞を述べた。彼は錬達の外交官であり、2001年から06年にかけて米国大使、その後2006年から08年にかけては駐英大使を務め、それ以前には1998年から2001年まで本省で外務次官を務めた人物である。「安全保障会議」の議長に就任したのは2008年のことであった。

 ついで登壇したのは、美人の誉れ高いウルズラ・フォン・デア・ライエン国防相である。彼女は大学では医学を専攻し、医学博士号をもつが、7人の子宝にも恵まれたことでも有名である。無論、女性の国防大臣はドイツでも初めてのことであるが、同じく女性初の連邦首相であるアンゲラ・メルケルとは名コンビで、一部ではメルケル女史の後継者になるのではないかとの観測も根強い。なお、フォン・デア・ライエンは、西ドイツ時代から通算して第17代の国防大臣である。日本でも女性が防衛庁長官、あるいは防衛大臣に就任した例としては小池百合子・現東京都知事と稲田朋美・現防衛大臣の2例がある。

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