憲法裁判所所長代行を務める李貞美裁判官(中央)の任期も3月13日まで (c)EPA=時事

 韓国の有力な次期大統領候補とみられた潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長は2月1日午後3時26分、韓国国会内で記者会見を行い、「尊敬する韓国のみなさん」で始まる記者会見文を読み上げた。その中で、潘氏は突然、「自分が主導して政治交代を成し遂げ、国家統合を実現するという、純粋な意思を取り下げることを決めた。理解してほしい」と述べた。大統領選挙不出馬を表明した瞬間だった。

「途中下車」した潘基文氏

 潘基文氏の側近たちもまったく予想していない発言だった。聯合ニュースは同3時半に「潘基文『純粋な意思を取り下げる』大統領選不出馬宣言」と速報した。

 潘基文氏は10年間にわたる国連事務総長の任期を終え、今年1月12日に帰国し、次期大統領を目指して事実上の大統領選出馬を表明したが、わずか3週間で「途中下車」することになった。韓国の保守勢力の「救世主」の役割を期待された潘基文氏が大統領選挙への挑戦を断念したことで、保守勢力は求心点を失った。現時点では、「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)元代表が支持率で2位以下に差を付けて優位にある。しかし、韓国は「ダイナミック・コリア」である。まだまだ、先行きは不透明だ。

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