潘基文氏不出馬を伝える韓国各紙 (c)時事

 第3の渦は大統領選挙だ。先述のように、憲法裁判所の弾劾可否が3月13日までに出て、大統領選挙は4月末から5月初めに実施される可能性が高まった。韓国内の雰囲気は新年になり、大統領選挙の早期実施を織り込んで大統領選挙のムードに包まれている。潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長が1月12日に帰国し、実質的に大統領選挙運動に身を投じたが、先述したようにわずか3週間で出馬を断念した。

 潘基文氏は候補のいない保守勢力にとっては「救世主」のような存在だっただけに、保守勢力に大きな空洞が生じた。この空洞を誰が埋めて、現在は第1位を走る「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)候補に対抗することができるかが今後の焦点だ。

文在寅氏が支持率トップへ

 本サイトの前回の報告(2016年12月22日)からの大きな変化は、文在寅「共に民主党」元代表が大きく支持を伸ばし、韓国に帰国した潘基文前国連事務総長がブームを起こせず逆に支持率をじりじりと下げたことだ。

 韓国の世論調査会社、韓国ギャラップが1月10~12日に行った支持率調査では文在寅・元「共に民主党」代表が31%と前回の調査(12月6~8日)から11ポイント上昇した。潘基文・前国連事務総長は20%で前回と同じだった。第3位は李在明(イ・ジェミョン)城南市長で12%(前回より-6ポイント)、第4位は安哲秀(アン・チョルス)元「国民の党」代表で7%(-1ポイント)、第5位が安熙正(アン・ヒジョン)忠清南道知事で6%(+1ポイント)、第6位はセヌリ党の黄教安(ファン・ギョアン)大統領権限代行で5%、第7位は保守新党の「正しい政党」の劉承旼(ユ・スンミン)議員で3%(前回と同率)、第7位が孫鶴圭(ソン・ハッキュ)国民主権改革会議議長で2%(-1ポイント)という結果だった。

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