11.スティーブン・ムニューチン財務長官(54)

 2月13日、上院本会議で53対47の僅差で承認された。閣僚の中でも主要ポストである財務長官が1月20日の政権発足後3週間も承認されなかったのは、歴代政権でも極めて異例。ヘッジファンドであるドューン・キャピタル・マネジメント(Dune Capital Management=DCM)の会長兼CEOからの起用だが、在職中、金融機関への投資で多額の利益を得ていたことなどが問題視され、民主党からの反発が強かった。

 米金融機関大手ゴールドマン・サックスに1985年から2002年まで17年間勤務した元幹部であり、同社のパートナー(共同経営者)に就任していた。その後、投資会社DCMを創設し、会長兼CEOに。ハリウッド映画のプロデューサーの経歴もある。

 

 トランプ氏が共和党大統領候補指名獲得を事実上確実にした2016年5月、トランプ選挙対策本部の政治資金調達責任者に就任し、ウォール街での広範なネットワークを活用して政治資金調達に奔走した。そうした功績や、経済政策のアドバイザーとしてトランプ氏に忠誠を示したことで信頼獲得に成功しており、その意味からも、財務長官就任は「論功行賞」人事ということができる。

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