イランの鉄道建設にインドが手を貸すことになった。計画されているのはオマーン湾に面する港チャーバハールとその西北の内陸部ファーラジを結ぶ六百キロの鉄道路で、アジア横断鉄道計画(沿線二十六カ国、総延長八万一千キロ)の一部でもある。 鉄道が開通すればインドのメリットも大きい。インド鉄道局のK. C. ジャーナ局長は語る。「インド北西部の港から船でアラビア海を渡って貨物をチャーバハールに運び、そこから鉄道に載せれば、イラン経由でロシア、あるいは中央アジアやヨーロッパに物流ルートができる」。また、バンダルアンザリなどイランのカスピ海沿岸の港まで運べば、対岸のロシア・アストラハンからの鉄道網を利用してモスクワやサンクトペテルブルクへの物流路も確保できる。 インドが協力するのは、線路の敷設、運行システムや信号・電気系統システムの改良、職員養成、列車や部品の提供など。国際鉄道連盟の下部組織として中東鉄道アカデミーをイランに設立する支援も行なうという。

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