キッパリと言い切ったテリー会長(筆者撮影、以下同)

 

 虫の知らせ、というやつだろう。

 何かいいことがありそうな気がして、3月1日、はるばる中国・広州までやってきた。

 台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業の子会社、堺ディスプレイプロダクト(SDP)が広州市政府と共同で、10.5世代の巨大液晶パネル工場を建設する。その鍬入れ式が3月1日、現地で行われた。

 式にはホンハイの郭台銘(テリー・ゴウ)会長も臨席するという。シャープ買収の時には、路上でいきなり記者会見を始めたり、記者会見を開くと言っておいて台湾に帰ってしまったり、とメディアを散々振り回した「嵐を呼ぶ男」である。

「これはきっと何かある」

 そう睨んで、新潮社さんに出張費を出してもらい、広州まで追っかけることにした。

「きっとサムスンに勝てる」

 広州市の中心部からホンハイが用意したバスに揺られること小一時間。会場には「8K見るならSDP」の青いノボリがはためく。赤い提灯も飾られ、お祭り気分である。市政府の要人が集まるとあって、警備は物々しい。

 市政府要人のスピーチの後、テリー・ゴウ会長が演台に上がった。

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