3月6日、北朝鮮が発射した弾道ミサイル=朝鮮中央通信が7日配信= (c)AFP=時事

 3月6日の北朝鮮ミサイル発射を受けて、「北朝鮮の脅威が『新たな段階』に入ったことを日米首脳が電話協議し確認」との報道が新聞、テレビ、インターネットを賑わした。この突如現れた「新たな段階」について筆者の理解を提起し、ご教示を得たい。

ミサイル技術の進展が「新たな段階」なのか

 北朝鮮国営の朝鮮中央通信は、「ミサイル発射は『在日米軍基地を攻撃する部隊』の訓練である」と発表(3月7日)した。このように軍事的脅威は、対象に軍事力行使の意図が加わった時に生ずる。脅威の種類・規模・切迫度、もたらされる被害などの様相は、脅威の変化が常態的であるから、継続的な収集や分析といった情報活動によって確度が高められる。

 繰り返される北朝鮮のミサイル発射によって、彼らが持つ技術の中でこれまで発見された不備に、補完が重ねられてきた筈である。技術開発・改良の進捗は、北朝鮮のミサイルの飛距離・命中精度・弾頭の破壊力などの性能を向上させ、ピンポイント攻撃までも可能にするであろう。まさに発射・飛翔の繰り返しはその証でもある。

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