2002年に発表したブッシュ・ドクトリンは、「先制戦争」を容認するものだった (c)EPA=時事

 北朝鮮が3月6日に行った4発の弾道ミサイル発射は、様々な衝撃をわれわれに与えた。

 朝鮮中央通信は翌日7日、「有事の際に在日米軍基地への攻撃を担う朝鮮人民軍戦略軍火星砲兵部隊の訓練だった」とし、「米国と韓国が(北朝鮮に対し)ただ一点の火花でも散らすなら、核弾頭を装塡(そうてん)した火星砲で侵略と挑発の本拠地を焦土化する決死の覚悟を固くした」と報じた。つまり北朝鮮は「在日米軍基地攻撃用部隊を保有」しており、その部隊は「有事の際は核を搭載する」と意図を公表したのだ。更にその訓練内容が「日米の弾道ミサイル防衛を意識した発射訓練」という恫喝だったことだ。

 安保理は緊急会合を開催して対北朝鮮経済制裁を順守することなどで合意し、終了後には日米韓の国連大使がそろって北朝鮮を非難した。特にアメリカのヘイリー国連大使が「今回のミサイル発射を受け、アメリカがどう行動すべきか再評価している。あらゆる選択肢が検討されている」と述べたことで、アメリカによる軍事オプションが行使されるのではないかとメディアをにぎわしている。

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