マイナス成長に転落したアフリカ

執筆者:平野克己2017年3月16日
アフリカ経済では石油産業が売上高の上位を占める(リビアのコンビナート)(C)AFP=時事

 

 アフリカ情報誌の老舗にフランスの『Jeune Afrique』があるが、ここは英語の情報誌も出していて『The Africa Report』という。研究現場を離れた今もこれだけは読んでいる。第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)があった昨年は、外務省の招聘で英仏誌双方の記者が来日したので研究所で会い、ナイロビの本番にはJETRO(日本貿易振興機構)が彼らを現地に招聘した。そこでも会って、寄稿もした。先月パリに行った際には、この2人と日本人シェフの店でフランス料理を食べ、日本映画の話に花を咲かせた。

 前置きが長くなったが、『The Africa Report』2月号が例年通り、2015年の「Top 500 African Compnies」を発表した。アフリカの企業を売上高順にリストアップしたものである。1位はアルジェリアの石油公社「ソナトラック(Sonatrach)」で、総売上は600億米ドルを超えている。2位はアンゴラ石油公社「ソナンゴル(Sonangol)」の172億米ドルだから、ソナトラックはダントツだ。3位から13位までは南アフリカの民間企業が続いており、自動車販売や輸送業を軸とする総合企業「ビッドベスト(Bidvest)」、石炭液化をはじめとする化学企業「サソール(Sasol)」、携帯電話会社の「MTN」が上位3社。14位にはエジプトのスエズ運河会社、19位にザンビアの建設会社、24位にモロッコのエネルギー企業がいるが、500社中159社が南アフリカ企業であり、上位100社では56社を占める。南アフリカの大企業はほぼすべてアフリカ大陸に展開している。それゆえ、アフリカ経済を見るうえでは常に、南アフリカ企業の動きをおさえておかなくてはならないのである。

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