民主党よ、外交にも目を

執筆者:2008年6月号

 内閣支持率を見る限り、福田康夫内閣は失速寸前である。世論調査の半数が支持率二〇%を割り込んでいる。いつ倒れてもおかしくないと政治評論家たちは口をそろえる。たしかに何一つ成し遂げた仕事はないし、懸案事項はいずれも対応があまりにも悪すぎる。ならばすぐにも倒れるかというと、そういうわけでもないらしい。内閣支持率が下がって、意気上がる民主党が解散・総選挙か総辞職に追い込もうとすればするほど、与党内部の福田支持率は高まるという奇妙なことになっている。ポスト福田は福田だ、と公然と語る議員も少なくない。 だれもこんな状況で政権を引き継ぎたくないと考えているのだ。引き継いだところで同じことの繰り返しで、解散しても総選挙で敗北し野党に転落する可能性が極めて高いと見ているからである。「福田」が「麻生」や「小泉」「小池」になろうがはたまた「小沢」になろうが、そうたいしたことではない。まるで着せ替えごっこのように「安倍」から「福田」、「福田」から「〇〇」へと首のすげ替え遊びにうつつを抜かしている間に、国際社会での日本の存在感が一気に小さくなっている。そのことそのものよりも、そのことに気がついていないこの国の指導者連中の水準の低さに目まいがする思いだ。

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