3月31日、ソウル中央地裁から拘置所に移送される朴槿恵前大統領(右から2人目) (c)EPA=時事

 

 韓国のソウル中央地裁は3月31日未明に、検察当局が収賄容疑などで請求していた朴槿恵(パク・クネ)前大統領への逮捕状を発付した。朴前大統領はすぐにソウル拘置所に収監された。拘置所へ向かう車中の朴前大統領は、疲労と、逮捕への怒りと、空しさが混じったような表情だった。2013年2月に韓国初の女性大統領として就任した時の華やかさとは対照的な光景だった。

 韓国では1995年に軍刑法上の反乱首謀、刑法上の内乱、収賄容疑で逮捕された盧泰愚(ノ・テウ)、全斗煥(チョン・ドゥファン)両元大統領に続いて大統領経験者で3人目の逮捕だ。

 ソウル中央地裁は逮捕状発付について「主要な容疑が疎明され、証拠隠滅の恐れがあり、逮捕の必要性がある」と判断した。

 1995年の全斗煥、盧泰愚両元大統領の逮捕は、全元大統領は退任7年後、盧元大統領は退任2年後で、既に政界に影響力をほぼ失った後だった。しかし、朴槿恵大統領は憲法裁判所の決定で3月10日に罷免されてわずか3週間後だった。与党・自由韓国党(セヌリ党から改称)内に朴槿恵大統領を擁護する「親朴派」が大きな政治力を保持した状況下での逮捕だった。

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