4月15日の軍事パレードに、背広姿で登壇した金正恩党委員長(中央右)と、妹の金与正氏(同左)[朝鮮中央テレビより](c)時事

 平壌では4月15日午前9時半(日本時間同10時)過ぎから、「偉大な首領、金日成(キム・イルソン)同志誕生105周年慶祝閲兵式・平壌市大衆デモ」が約2時間50分にわたり行われた。この様子は『朝鮮中央テレビ』で実況中継された。この行事の取材のために200人を超す海外メディアが訪朝し、取材に当たった。

初めて背広姿で登場

 黒いスーツ、白いシャツにネクタイという背広姿の金正恩(キム・ジョンウン)党委員長が、黒塗りの乗用車で到着し、整列した軍人たちを査問してひな壇に上がった。ひな壇の金正恩党委員長に向かって左側に白い軍服の黄炳瑞(ファン・ビョンソ)軍総政治局長、右側に朴奉珠(パク・ポンジュ)首相、崔龍海(チェ・リョンヘ)党副委員長が立った。金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長はひな壇中央には立たず、金正恩党委員長を補佐する核心幹部が黄炳瑞、朴奉珠、崔龍海の3氏であることを示唆した。

 金正恩党委員長はこれまで閲兵式ではずっと人民服姿だったが、今回は初めて背広姿で登壇し、胸には金日成主席や金正日(キム・ジョンイル)総書記のバッジも付けていなかった。この日の軍事パレードでは各種ミサイルが登場し、対米対決姿勢を明確にしたが、金正恩党委員長の洋服姿は外部社会との対話姿勢を示す思惑も読み取れた。

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