4月26日、復興相の辞表を提出後、取材に応じる今村雅弘氏 (C)時事

 

「ニュースで聞いた時はあまりにもばかばかしく、誰が聞いてもおかしいと思った。震災が東京以外で良かったという発想。復興大臣としてとんでもない暴言だとは小学生でも分かる。あきれ果てたが、診察室で患者さんたちと話をしていたら、怒りとか、笑い飛ばすとかでは済まないものがある、と気づき、心に穴が開いたみたいに落ち込んだ」

 東京電力福島第1原発から北に約45キロ。福島県相馬市に、被災者の心のケア支援の場として2012年1月、同県内を中心に精神医療者有志が開設した「メンタルクリニックなごみ」がある。翌13年春から2代目院長となった蟻塚亮二医師(70)は、4月25日に報じられた今村雅弘前復興相の自民党二階派のパーティーでの発言について、こう語った。蟻塚さんは着任後、相馬地方など原発事故被災地の住民約2000人を診療した経験を昨年6月、『3・11と心の災害』(大月書店)にまとめて刊行し、筆者は河北新報の連載「被災者いまだ癒えず」で紹介させてもらった。以来、取材を重ねてきた。

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