オオカミ少年?(C)AFP=時事

 

 財務省は5月10日、2017年3月末時点の「国の借金」が過去最高の1071兆5594億円になったと発表した。「国の借金」は、国債の発行残高に借入金と政府短期証券を合わせたもの。2016年3月末は年度末として7年ぶりに前年度末比減少となったが、今年は再び増加に転じた。

 この発表を受けて大手メディアは、ほとんど同じ短い記事を載せていた。

「国の借金、過去最高に 3月末1071兆円」(『日本経済新聞』電子版)

「国の借金、過去最大1071兆5594億円 国民1人当たり845万円」(『産経ニュース』)

「『国の借金』過去最大の1071兆円…5兆円増」(『読売オンライン』)

「国の借金1071兆円=1人当たり845万円――16年度末」(『時事通信社』)

 といった具合だ。

 この「国の借金」は3カ月ごとに財務省が公表、省内の記者クラブで発表されている。記者クラブ詰めの若手記者が「処理」するからか、内容はいつも紋切型だ。

「過大予想」だらけの「財務省公表」

 しかし、3カ月前に自分たちが書いた記事の事をどう考えているのか。すっかり忘れているかのようだ。

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