無駄使い法人に“大鉈”をふるったという国交省。が、その実態は、はたして「改革」の名に値するシロモノなのか。 合言葉は国民の目線――。そんな台詞が堂々と飛び出した。四月十七日の夕刻、東京・霞が関にそびえる国土交通省での記者会見。「道路関係業務の執行のあり方改革本部」の最終報告書を手に、改革本部長を務めた冬柴鉄三大臣は胸を張った。「これで、地に落ちた信頼を回復できればと願っている」。野党に叩かれ続けた苦汁の日々を振り払うかのように、確信的な口調の説明は続いた。 公表された最終報告書の眼目は、国交省が所管する五十公益法人の見直しにあった。道路特定財源を原資とする道路整備特別会計(道路特会)からの支出を受けるこれらの法人の、血税を使った「放漫経営」は記憶に新しい。 道路特会から約九百九十五億円を投入し、国交省が整備した国道の地下駐車場(全国十四カ所計二千四百九十五台分)。この管理・運営をしてきた「駐車場整備推進機構」では、一台分当たりの年間収入が約十六万円、一日の売り上げが五百円にも満たないケースがあった。「国際建設技術協会」では、受注額約九千二百万円で海外の道路事情に関する千百ページほどの調査報告書を作成し、発注元の国交省に提出。発行はわずかに三部で、インターネット上の百科事典「ウィキペディア」を引用するなど杜撰きわまる仕事ぶりだった。

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