「6秒」続いた記念すべき握手(C)AFP=時事

 

 ベルギーの首都ブリュッセルの米大使公邸は、米仏両首脳の「和解」を演出する格好の舞台のようだ。トランプ米大統領は5月下旬、マクロン仏大統領との関係修復を図るため、初顔合わせの昼食会でもてなした。奇しくも12年前には、当時の米仏両大統領の和解の食事会もこの公邸で持たれている。

こぶしが白くなるほどの握手

 5月25日昼、ブリュッセルの中心街ジンナー通りにある米大使公邸の前には、大勢の記者団が詰めかけた。黒塗りの車から降り立ったマクロン大統領は、にこやかに記者団に手を挙げて応え、公邸の玄関で出迎えたトランプ大統領、メラニア夫人と握手した。マクロン大統領夫人で、25歳年上のブリジットさんは同行しなかった。

 マクロン大統領にとってはこの日午後、ブリュッセルの北大西洋条約機構(NATO)本部で開かれる首脳会議が事実上の外交デビューとなるが、トランプ大統領は会議前に米大使公邸のワーキングランチに招いた。

 初顔合わせとなるため、首脳会議前に意見を交換しようというのが表向きの理由だったが、仏大統領選挙では露骨に極右・国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン党首を応援したトランプ大統領。ランチへの招待は和解へのシグナルでもあった。

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