「私に敵はいない」劉暁波を最後まで「敵」とした中国共産党
2017年7月14日
中国の民主活動家、劉暁波氏が7月13日亡くなった。末期の肝臓ガンが全身に転移した末の多臓器不全が原因で、享年61。病死ではあるものの、自ら述べているように「文字(もんじ)の獄」(中国の歴代王朝で、王朝批判の言論や出版を弾圧してきたこと)による非業の死であった。
死去の情報が流れたのが13日夜。その途端、中国のSNSアプリ『微信(ウィーチャット)』の「朋友圏(モーメンツ=フェイスブックのタイムラインに相当)」には、ロウソクや献花の写真が続々と流れた。劉氏の写真や過去の発言を投稿する者もいたが、一部は削除されていた。中国版『ツイッター』ではしばらく前から「劉暁波」の名前を打ち込んでも検索できないようになっている。
国家の建前に固執した中国
劉氏の病状が発覚したのは6月26日だった。それから半月ほど、中国当局が「自分たちはちゃんと治療している」とアピールするための情報操作を試みれば試みるほど、その姑息な本音が見透かされ、裏目に出た形になって批判の声が世界に広がり、中国の国際的な名声は損なわれていく状況だった。
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