「情報」ということ(下)

執筆者:冨澤暉2017年7月16日
東京・市谷の防衛省庁舎。ここが情報収集のための「長い耳」になっているはずなのだが (C)時事

 

 すべての作戦(政策)は、その時の「状況判断」から生まれるものである。その状況のすべてを知り尽くすことは困難だが、その作戦(政策)を推進する上での大事な要素だけは漏れなく調べ上げ、特に作戦の遂行に多大な影響を及ぼす要因については、しかるべき利用方法と制御対策を準備して「最良の方策」を決定し、実行に移さなければならない。

 ところで、具体的な「戦闘」に大きな影響を与える要素とは何なのだろうか。色々な意見があろうが、ここでは米軍の将校たちが「戦場で状況判断をする時に、最小限考えるべき要素」として教えられてきた「METTT(メッツ)」という略語を紹介する。

 それは次のような意味を表している.

M(Mission): 任務    (使命・目的・目標)

E(Enemy) : 敵       (顧客・商売的・銀行)

T(Troop) : 我が部隊  (我が社の能力・銀行・株主)

T(Terrain) : 地形      (環境条件・情勢・景気・法律)

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。