経営危機に陥っている新銀行東京に対して、在日韓国人系信用組合の近畿産業信用組合(本店・大阪市、青木定雄会長)が事業提携や買収を申し入れた。青木氏はMKタクシーの創業者で、毀誉褒貶はあるものの、タクシーのサービス向上や低運賃化のきっかけを作った人物として知られる。 近畿産業信組は、二〇〇一年に信用組合大阪商銀の事業譲渡を受け、〇二年には信組関西興銀、〇六年には長崎商銀を引き受けて規模を拡大。実は当時、在日韓国人系信組には大同合併して「ドラゴン銀行」という新銀行を設立しようという動きがあり、青木氏はその主導権を握るべく、自らの“領土拡大”に動いたのだ。だが、主導権争いの結果、ドラゴン銀行設立は泡と消え、「青木氏の強引なやり方は在日韓国人の間で不興を買った」(当時を知る関係者)。 その青木氏率いる近畿産業信組が新銀行東京の買収に動いたのは、「新銀行の吸収で、信組から一気に普通銀行に業態転換することを狙ったもの」(在日韓国人系金融機関関係者)。青木氏はかつて破れた夢を別の形で実現しようとしているのだ。しかも、「近畿産業信組が新銀行東京と資本関係を作れば、そこに(在日韓国人の資本で韓国に設立された)新韓銀行が出資する構想もある。それにより、在日韓国人系金融機関を一気にまとめ上げ、その地位の確立を狙っている」(同)という構図まで背景にあるという。今のままでは展望がない新銀行東京だが、どう対応するのか。

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