クリストファー・レイ連邦捜査局(FBI)長官

執筆者:足立正彦2017年8月18日
 

28. クリストファー・レイ連邦捜査局(FBI)長官(49)

 トランプ大統領は5月9日、2016年大統領選挙を巡って親族や側近らとロシア政府との共謀の有無に関する捜査を陣頭指揮していたジェイムズ・コミーFBI長官(当時)を突如更迭した。大統領による捜査妨害、疑惑隠しなどの批判が沸き起こる政治的混乱の中、後任のFBI長官として6月7日にトランプ大統領より指名された(ホワイトハウス公表の声明参照)。

 ほかにも後任候補としては、2000年大統領選挙の民主党副大統領候補であったジョセフ・リーバーマン元上院議員(無所属、コネティカット州選出)らの名前も浮上していたが、トランプ大統領がレイ氏とともに最後まで検討していたのは、元FBI副長官や米運輸保安庁(TSA)長官を歴任したジョン・ピストル氏であった。

 7月12日に開催された米議会上院司法委員会主催の次期FBI長官指名承認公聴会で、大統領から独立してFBI長官としての職務を遂行し、FBIが政治的影響を受けることはないと証言するとともに、大統領から不正な行為を求められた場合、FBI長官の職を辞する方針も表明した。さらに、トランプ大統領はロシアゲート疑惑を巡る捜査について「魔女狩り(witch hunt)」との批判を展開していたが、指名承認公聴会の中で、そうしたトランプ大統領の見解について異議を唱える証言も行っている。

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