中堅不動産デベロッパーの経営悪化が進んでいる。五月末にはマンション販売の不振で近藤産業(大阪市)が破綻。近畿圏や首都圏で分譲マンションを販売するセントラルサービス(吹田市)も大阪地裁に民事再生法の適用を申請した。地価上昇で物件の仕入れ価格が高まる一方で、消費の低迷で販売は不振。株式市場では関連する銘柄に思惑的な売りが広がり、「連鎖破綻」を懸念する声が出ている。 近藤産業の親会社は、東証一部上場のゼファー。子会社の経営破綻が伝わってから、同社の株価は一時約三〇%も急落した。販売不振も重なり、二〇〇九年三月期の最終赤字は六十八億円と従来予想(十五億円の黒字)から大幅に悪化した。 不振のなか、特に大都市圏郊外のマンションは販売がさっぱりで、値下げしても在庫がはけない悪循環に陥っている。サブプライム問題で打撃を受けた金融機関は、融資を引きあげる「貸し剥がし」を本格化。借入金を原資に事業を展開してきた新興企業ほど経営が悪化している。 株式市場では、アーバンコーポレイションやジョイント・コーポレーションなどの銘柄にも売りが波及。市場関係者からは、「投資ファンドが、経営破綻の瀬戸際に追い込まれた企業を底値買いしようと窺っている」との声も聞かれ始めた。

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