着任後、安倍晋三首相を表敬訪問したハガティ新駐日米大使(左) (C)時事

 トランプ政権下で最初の駐日大使ウィリアム・ハガティが、8月17日、いよいよ来日した。新大使は新「ミスター外圧」として、経済に的を絞って日本に市場開放を迫るのか。あるいは安全保障重視で北朝鮮、中国への楔役となるのか。今後の動向が注目される。

政治任用か職業外交官か

 アメリカ政治といえばとかく「政治任用(political appointee)」を思い浮かべがちだろう。日本の霞が関では、事務次官をはじめとする幹部がその役所の生え抜きであるのに対し、アメリカの省庁では政権交代を機に幹部が外部から登用される。

 それではアメリカの大使はどうか。ハガティ新大使のように、歴代駐日大使は政治任用が主だ。しかし中小国に赴任するアメリカ大使は、職業外交官(career diplomat)から登用されるのが通例だ。例えばベトナム大使はジャカルタ、ニューデリーなどでも勤務したアジア経験豊富な外交官。日本でも名が知られているソン・キム・フィリピン大使は韓国系アメリカ人で、北朝鮮担当特別代表、韓国大使を歴任、といった具合だ。

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