インドネシアの「民主主義」を守るため、非民主的な手段に走ってしまったジョコ・ウィドド大統領 (C)AFP=時事

 

 8月17日はインドネシアの独立記念日である。この日、街中では国旗や独立を祝う垂れ幕があちこちに掲揚され、町内では住民たちが道路を清掃して飾り付けを行い、子どもたちがパレードをするなど国民全員でインドネシアの独立をお祝いする。ジャカルタでは独立記念日の前日に、大統領が上下両院の合同議会である「国民協議会(MPR)」で演説を行い、 当日に内外の政府関係者を招待して大統領宮殿で記念式典が行われる。今年も、72回目となる独立記念日の式典が各地で華やかに行われた。

「伝統衣装」で出席

 毎年繰り返されるいつもの風景、いつもの行事であるが、今年は1つ違う点があった。これまで国民協議会での演説でも大統領宮殿での式典でも、スーツを着用していた大統領と副大統領が、地方の伝統衣装を身につけて出席したのである。国民協議会では、ジャワ人であるジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領が南スラウェシに多いブギス人の衣装を、そのブギス人であるユスフ・カラ副大統領はジャワ人の衣装を着て出席した。翌日の独立記念式典でも、ジョコウィ大統領は南カリマンタンの少数民族タナ・ブンブの伝統衣装を着用した。この日は、閣僚や政治家たちだけでなく、警護官までもが出身民族の伝統衣装を着て式典に参加した。

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